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2025.12.01

社長ブログ251201『アサギロ 〜浅葱狼〜』

社長ブログ251201『アサギロ 〜浅葱狼〜』

また歴史マンガの話で恐縮なのですが、ヒラマツ・ミノルさんの新選組をテーマとした作品『アサギロ 〜浅葱狼〜』という作品をずっと読んでいます。2009年からもう16年も長期連載されています。作品の特徴としては、新選組のメンバーを美化することなく普通の若者たちとして描いている点が挙げられると思います。ヒロイックに描かれることの多い沖田総司や永倉新八が、剣術が強いだけの等身大の人間味あふれる若者として描かれていて新鮮でした。特に永倉新八の若いころのエピソードはかなり好きです。

これらの主役級の人物以外にスポットを当てたエピソードも豊富で、芹沢鴨や斎藤一、原田左之助、谷三十郎、伊藤甲子太郎などもこれまでの解釈とはやや異なる視点からクセの強い人物として描かれているのも面白いです。佐々木愛次郎を中心とした「壬生心中」の話がかなり尺を取って描かれているのも珍しいですね。山崎丞がこのエピソードの探偵役として活躍するのは面白い構成だと思いました。山崎丞は密偵として活躍したという話が残っている人物ですが、かなりいいキャラクターに仕上がっていて好きです。

谷三十郎もあまり良いイメージの残っていない人物で、確かに作中でもかなり小物に描かれていてみっともない場面ばかりなのですが、とても人間味が溢れている部分があって、彼の最期のシーンはキャラクターに対する思い入れを感じるものでした。

新選組以外の幕末の人物の描き方も禁門の変での真木和泉など、意外な人物にスポットが当たる感じで面白いです。は真骨頂でしたね。最新刊では中村半次郎が登場しましたが、ここで彼が斬った赤松小三郎のエピソードもかなり凄絶でしたね。

私としては非常に面白い作品なのですが、マイナーな事件や人物にスポットが当たることが多く、新選組を全く美化しない分かなり地味な作品かもしれません。機会があればぜひ一度読んでみてください。

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