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2024.10.24

社長ブログ2410

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最近鎌倉時代が熱いですね。NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」も記憶に新しいところですが、最近では「逃げ上手の若君」という歴史マンガがヒットしています。

「逃げ上手の若君」は「太平記」の時代を舞台にした作品ですが、主人公がこの時代のスターである足利尊氏や楠木正成ではなく、滅ぼされた北条家の生き残りである北条時行という少年になっているのが独特ですね。

私も大変楽しく読んでいますが、足利尊氏像が斬新と言うか、本当によく分からない人で面白いです。史実を辿ってみても最終的に実弟の直義と和解するために高兄弟を見殺しにしたのに結局は直義とも決裂していたり、よく分からない人だと思っていました。こういうよく分からない人が良く分からない人として魅力的に描かれていて素晴らしいと思います。

北条時行はNHKの大河「太平記」でもナレーションだけで済まされたくらいのチョイ役だったようで私も全く名前に聞き覚えがなかったのですが、最近のヒット作は知名度の低い人物を主役に配することが多い気がしますね。

中国の春秋戦国時代を舞台にした「キングダム」も李信というマイナーな武将が主人公ですし、歴史モノとは少し違いますが「ドリフターズ」でも島津豊久というあまり注目されてこなかった人物が主人公でした。「ヒストリエ」でもアレクサンドロス大王の側近だったエウメネスという人物が主人公に配置されています。やはり知名度の高すぎる人物はキャラクターに色がついてしまっているので、あまり先入観のないキャラクターの方が動かしやすかったりするのかもしれません。

鎌倉時代を舞台にした漫画と言えば「バンデット」という作品もあって、「逃げ上手の若君」の少し前の時代を描いていてこちらも大変面白かったです。「逃げ上手の若君」ではあっさりと殺されてしまった護良親王や楠木正成が活躍していたころの時代で、時系列的には前日譚に当たりますね。尊氏兄弟や高師直など、「逃げ上手の若君」と共通する人物が多く登場しますが、必見なのは後醍醐天皇と宇都宮公綱ですね。両作品での落差がすごいです。あと足利貞氏の「納得させるという発想そのものが軟弱」は鎌倉武士を象徴するような名言でした。

ちなみに「キングダム」にも「達人伝」という少し前の時代を描いた作品があって、こちらも非常にオススメです。キングダムではすでに故人となっている白起や王齕が現役で活躍しているほか、呂不韋や廉頗といったキャラクターは両作品に共通して登場します。

歴史モノは様々な作者の作品に意図せぬ繋がりができたりして、こういう所も醍醐味だと思います。