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2024.06.20

社長ブログ2406🌹

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今月のおすすめ漫画を紹介します。

月刊!スピリッツで連載されている「ゆうきまさみ」さんの「新九郎、奔る」です。

これは安土桃山時代から100年ほど昔の日本を舞台に、「北条早雲」の名前で知られる「伊勢新九郎」を主人公とした歴史ドラマです。

北条早雲と言えば、私の子ども時代には一介の素浪人から下克上を経て関東に北条家という大勢力を築き上げた「最初の戦国大名」として知られる人物でした。

ところが、近年の研究では室町幕府の要職を務めた伊勢氏の要人である「伊勢新九郎盛時」が早雲の出自であり、そもそも生前に北条早雲と名乗ったこともなく、没後にそのように呼ばれるようになったそうです。どうもこの年になると、子どもの頃に覚えた知識などが陳腐化してしまっていて、アップデートが大変です。

それはさておき、私は安土桃山時代や中国の三国時代などの人気の高い時代の話も好きですが、こういうマイナーな時代の話がとても好きです。この物語の時代背景で言うと、1467年の応仁の乱から始まり、室町幕府内の権力争いや泥沼の内乱状態を極めていた関東が北条家によって統一されていく過程を描いています。こういうなんとなく知っていた時代が詳しく知れるのは楽しいですね。

主人公の新九郎は文官の名門の出ということもあり、優秀だが真面目で理屈っぽく融通が利かない性格をしています。しかし、多くの戦乱や闘争に巻き込まれていくうちにだんだんスレてきて、自分自身の手で自分の運命をつかみ取ろうという下克上の精神に目覚めていくのですが、この変化が非常に魅力的で、面白いと思います。

また、新九郎の人生や考え方に強い影響を与える人物として、「太田道灌」が登場しますが、これも非常に有能だがクセの強い人物として魅力的に描かれています。太田道灌は武将としても上杉謙信や武田信玄に引けを取らないほどの名将ですが、活躍した時代が地味なので前二者ほどの知名度がありません。なかなか他の作品で見かけることが少ないので、貴重です。

2024年現在、まだ連載中で、新九郎が本格的に下克上に乗り出すのはもう少し先になりそうですが、続刊を非常に楽しみにしている作品です。